エモーショナルな感情表現を重視した、幻想的かつ疾走感あふれるサウンドで唯一無二の世界観を描き出す、3人組アイドルグループ「兎アイズ」。第二章始動8ヶ月を迎えた彼女たちは、いまどんな未来を思い描いているのか。プロデューサー(兎P)を交えたMAITSU独占インタビューを実施した。
コンセプトについて
ーー兎アイズのコンセプトについて教えてください。が掲げる「叙情的エレクトロポップアイドル」というコンセプトは、どんな想いから生まれた言葉ですか?
美月さな:
「叙情的」は、感情を芸術として表現するという意味で、「エレクトロポップ」は電子音を使ったポップミュージックのこと。私たちは、ダンスや歌詞に感情を込めて電子音と掛け合わせ、その喜怒哀楽すべてをライブに乗せて届けるグループです。メンバーそれぞれの感情や感覚といった、抽象的なものをそのまま表現していて、“感覚を届けるアイドル”というイメージに近いと思います。電子音に感情を乗せて、幻想的な世界観を作り出しています。
萌月ゆりな:
かっこいい曲もあれば、可愛い曲もあって、どの楽曲にも電子音が取り入れられているのが特徴です。アーティスト写真や衣装からは“可愛い”印象を持たれることも多いんですけど、実際にライブを観ると「いい意味で思っていたのと違う」と言われることが多くて。見た目にとらわれず、純粋にライブそのものを楽しんでもらえるのが魅力だと思います。
結月ちはる:
3人組だからこそ、一人ひとりキャラクターが全く違うのも見どころです。同じ方向を目指してはいるけれど、その瞬間に感じていることをそれぞれがステージで表現していて、ライブ中のキャラクターの違いが誰から見ても伝わると思います。
今は撮影可能ライブで“奇跡の一枚”がバズったり、ストーリー性やファンの盛り上がり方が注目される時代。でも、兎アイズは「こう見せたい」と決めすぎず、お客さんそれぞれの受け取り方に委ねています。仕事で疲れた日や、嫌なことがあった日、逆に嬉しいことがあった日——その時々の感情とライブがぶつかり合う感覚があって、毎回のステージは“楽しい”だけではなく、メンバーごとに異なる何かを感じてもらえるものになっていると思います。
メンバーから見たメンバーは?
美月さな:
ゆりなは、見た目は“ザ・かわいい”。ツインテールも似合うし、ピンク担当だし。でも私はよく「あなたはかわいいだけじゃない」って言っていて。
ライブ中の“落差”は、もしかしたら誰よりも激しいんじゃないかなと思います。一番、見た目からは想像できない感情の起伏がステージに現れる人。声は高くてかわいいけど、その中に急にシリアスな低音や、普段からは想像できない表情を差し込んできたりする。そのギャップがすごくあります。
表情管理も本当にすごくて、どれだけ疲れていても顔に出さないんです。3人並んだときに一番ギャップが多いのは、やっぱりゆりなだと思います。

萌月ゆりな:
ちーちゃん(結月ちはる)は赤色担当で、とにかく“熱い”。ライブを観ていて、一番気持ちがダイレクトに伝わるのがちはるかなって思います。
兎アイズってそれぞれ綺麗さや可愛さを持っているんですけど、その中でも“熱”を出してくれるのがちはる。彼女がいるから、感情の部分がライブに強く出せていると思う。
普段は「へへへ」って感じなのに、決めるところはバシッと決める。自分の見せ方や表情をちゃんと理解していて、そこが本当にかっこいいです。ラップも担当していて、歌い方もクールだし、全力の“熱さ”が一番伝わるメンバーです。

結月ちはる:
さなは、普段はすごく親しみやすい雰囲気なんです。でもステージに立つと、誰よりも儚くて、遠くて、綺麗に見える瞬間があって。
“圧倒的実力派”っていう言葉が似合う人です。歌もダンスも本当にすごくて、歌の世界に入ったときはミュージカル女優みたいなイメージ。デビューして8ヶ月経って、さらに力強さも増していて、特別な場面じゃなくても思わず泣きそうになることがあるんです。
スキルの高さだけじゃなくて、これまでの経験から培ってきたものが、ちゃんとファンにも伝わっていると思います。

ーー 楽曲やライブ表現の中で、特に「叙情性」を大切にしている部分は?
兎P:
「叙情性」ってかなり抽象的で、感覚で受け取ってほしいという思いがあります。楽曲の中に「あなたの脳内を占領します」というフレーズがあって。ライブって、その瞬間はその空間で頭がいっぱいになるじゃないですか。仕事のことも忘れて、非現実的になってほしい。脳内を兎アイズでいっぱいにしてもらいたいです。
例えばジェスチャーで感覚を伝えることが多々あります。
メンバーには最初、「何を言っているかわからない」と思われてたかもしれません(笑)。でも、音を使い切っていくうちに、だんだん“分からない感覚”も意味を持ち始める。踊りから曲の色温度が伝わって、そこに自分たちの感情が重なる。
普段から「今こういう感覚なんだよね」と感覚で話しているので、メンバーもだんだん驚かなくなってきているんですよね(笑)。ライブを観たときに「あ、それそれ」って思ってもらえる瞬間が増えてきたし、表現のバリエーションも広がってきました。
美月さな:
Pって、たとえば工事現場のクレーンを見て「素敵、感動する!」みたいな感覚なんです(笑)。そういう日常の中の感動を、私たちは普段から耳にしています。
言葉にできないものを、身体で掴み取る感覚。それが叙情性なのかなと思います。
結月ちはる:
私たち、いわゆる“ちゃんとした会話”があまりないかもしれない(笑)。感覚で話しているから、他の人が聞いたら「何の話してるの?」ってなると思う。
「ここはこう表現しよう」って具体的に決めるよりも、それぞれが歩んできた人生や持っている性格が、たまたまマッチしていた。だから自然と同じ方向を向いているんだと思います。
萌月ゆりな:
私は兎アイズが始動した時からグループに在籍していたんです。最初はうまくいかなくて、感情をうまく出せなくて。パフォーマンスもどこか平坦で、モヤモヤをしまい込んでいました。
悔しくて、前メンバーの体勢が終わる時、自分も終わろうと思っていたんです。でも諦めきれなくて。「兎アイズで何かしたい」という気持ちがあったから、続けると決めました。
3人で始まって、続けていくうちに自分も変わっていって、ライブでも普段でも、ちゃんと気持ちを出せるようになったんです。以前の悔しさも全部、歌に重ねている。今の兎アイズだからこそ、感情を出せるようになりました。
かわいいグループはたくさんあるし、そっちのほうが合うのかなと思ったこともあります。でも、兎アイズが作ろうとしているものは難しいけど他にないことだと思って。これをやってみたいと思ったんです。
兎アイズは、本当にいいんですよ。支えてくれる人たちも含めて、全部が“感覚”。この感覚を、もっとたくさんの人に知ってほしいです。

新曲リリースについて
ーー1月26日リリースの「リアキャン!」は、今の兎アイズのどんな感情やモードを切り取った一曲ですか?
美月さな:
理想と現実、両方の自分を描いた楽曲です。MVを見るとよりわかりやすいのですが、現実の自分は不安や孤独、焦燥の中で暗い部屋に閉じこもっている。一方で、ステージの上で輝いている理想の自分もいる。
たとえ卑屈な気持ちや暗い部分があっても、それも自分の一部でいいんだよ、というメッセージを込めています。どんな自分も抱えたまま、理想の自分に近づいていこうという思いを歌っています。
最後は少し不穏な終わり方をするんですけど、それも理想と現実の狭間を表現しています。聴いてくれる方にも、自分自身の理想と現実を重ねてほしいです。
ーー2月16日リリースの「ナンデモナイ」は、「リアキャン!」とはどんな対比や繋がりのある楽曲ですか?
萌月ゆりな:
まだ何者でもない自分が、“何者か”になるための未来を描いた楽曲です。歌詞にもあるように、諦めかけていた自分が夢に向かって進んでいくストーリーになっています。
これまでの兎アイズにはあまりなかった、疾走感のある爽やかな楽曲で、初めて聴く方にも歌詞やメロディが入りやすいと思います。
電子音の強さはありつつ、「リアキャン!」のように理想と現実の葛藤を描くのではなく、まっすぐ前に進んでいく前向きな一曲です。明るい未来に向かって進んでいく、今の兎アイズにぴったりな楽曲になっています。
最後は、みんなで肩を組んで歌えるようなイメージです。
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ワンマンの軸
ーー3rd ONEMANLIVE「香味触 -第五感 終幕-」というタイトルに込めた意味を教えてください。
兎P:
これまでのワンマンライブでは、“第五感”をテーマに五感のひとつひとつを表現してきました。サブタイトルとして、1回目は「音ノ章」で“聴覚”、2回目は「藍ノ章」で“視覚”。そして3回目となる今回は、「終幕」として”嗅覚・味覚・触覚”をテーマにしています。
一般的にアイドルのワンマンライブは半年〜1年に1回というペースが多いと思うのですが、兎アイズはハイペースで積み重ねてきました。今回の「終幕」は、5月に1周年を迎えてその先へ進むためのライブになります。
ーー「終幕」とありますが、今回のワンマンは兎アイズにとってどんな節目のライブになりますか?
結月ちはる:
正直、まだ全く想像がついていません。ライブを通してどうお客さんと接触して、どう共存していくんだろう、と考えています。
私たちはギリギリまで準備してきたものをステージで表現しているので、そこから生まれる空気感や温度によって、また新しいものに更新されていくと思うんです。その瞬間にならないとわからないライブになると思います。
美月さな:
3rdワンマンを経て、その先の兎アイズに対する信頼度や期待値が分岐するライブになると思っています。
「香味触」という想像のつかないタイトルを掲げている中で、例えば「香水をつけました!」みたいなわかりやすい演出だけだと、ちょっとがっかりするじゃないですか。
歌いながらチャーハンを作って振る舞うくらい、「そう来たか!」って思ってもらえるようなライブになるんじゃないかなって。
チャーハン良くない!?嗅覚・味覚・触覚もある(笑)
チャーハンはさておき、どうなるかによって「前回やばかったから次も行きたい」と思ってもらえるかどうかが決まる、大きな分岐点になると思います。
結月ちはる:
芸術性もそうですけど、“面白さ”も大事にしたいです。
美月さな:
ワンマンの後の兎アイズに対する期待値を、ちゃんと超えていきたいですね。
萌月ゆりな:
2ヶ月って本当にあっという間で、そのすぐ後には1周年も控えています。今回はその直前のワンマンライブになるので、節目のひとつでもあると思っています。
「香味触」というタイトルは難しくて、どうなるのか想像できない分、すごくワクワクしています。前回のワンマンの方が不安は大きかったんですけど、今回は楽しみな気持ちの方が強いです。どうなるかわからないからこそ、よりワクワクしています。
兎P:
体験型のライブにはしたいですね!チャーハンはないかもしれないですけど(笑)。
今後の展望
ーーこの「終幕」を越えた先で、兎アイズはどんな姿を目指していきたいですか?
美月さな:
兎アイズは、いろんなジャンルの楽曲に挑戦しているグループなので、「こういう形のアイドルだからこう」という固定観念にとらわれず、これからもどんどん新しいことに挑戦していきたいです。
応援してくださっている方の期待を、いい意味で裏切っていけるようなグループでありたいと思っています。
ありがたいことに、「ライブを観て好きになった」「ライブが良かった」と言っていただくことが多いので、そこをさらに更新していきたいです。1stワンマンではモニターを使って映像と連動したパフォーマンスにも挑戦しましたが、今後は演出面も含めて、いい意味で“アイドルらしくない”ライブを届けていきたい。
「すごいな、兎アイズって。」と思ってもらえるようなパフォーマンスで、みなさんを驚かせ続けていきたいです。
萌月ゆりな:
アイドルをあまり知らない方や、ロックが好きな方など、老若男女いろんな人に観てもらって「いいな」と思ってもらえるグループになりたいです。
例えば、ロック系のライブイベントに出演してみたり、商業施設でライブをして家族連れの方に観てもらったりと、アイドル好きという枠にとらわれない活動をしていきたいです。
兎アイズは、アイドルを知らない人でも楽しめるグループになれると思っていますし、かっこいい曲も可愛い曲もあるので、どこかが誰かに刺さるはず。
もっと外に出ていけるグループになりたいです。
結月ちはる:
兎アイズとして目指したいのは、“叙情”や“感覚”が私たちから一方的に発信されるのではなく、「ライブを観てこういう感覚になった」という声がお客さん側から自然と生まれてくるような状態です。
兎アイズという名前やコンセプトが広がっていくことで、ライブアイドル=地下アイドルというイメージにとらわれず、もっと多くの方に知っていただけたらと思っています。
ライブという時間そのものが、心を通わせ合える場になってほしいですし、私たちの感覚を押し付けるのではなく、それぞれの感覚を預けてもらえるような存在になりたいです。
その人自身の感覚でライブを受け取って、生きていけるような、そんな時間を作っていけたら嬉しいです。
兎P:
今回のワンマンでは、新衣装のお披露目もあります。ここから先の新しい景色へ、みなさんを連れていくことを約束します。
兎アイズ関連情報
公式X;
https://x.com/_eyes_official_
萌月ゆりな:
https://x.com/eyes_yurina
結月ちはる:
https://x.com/eyes_chiharu
