「キスで世界を埋め尽くす」をコンセプトに活動をスタート、今年デビュー10周年を迎えたREADY TO KISS。彼女たちが、10月14日(土)に池袋harevutaiで「READY TO KISS 10周年ワンマン」公演を行った。
今やアイドル業界では、メンバーの加入と卒業を繰り返してゆくのがグループ活動を続けてゆくうえでは当たり前になっている。READY TO KISSも、そう。結成時のメンバーは誰一人残っていない。メジャーを舞台に活動をしていた時期も含め、大きな舞台に何度も立ち、さらなる飛躍のチャンスをつかめば、そのタイミングのたびにメンバーの卒業を繰り返し、何度も足踏みを繰り返してきた。それは、今も続いている。でも、それがマイナスとはけっして思わない。応援してくれる人たちの人数の増減はあるにせよ、READY TO KISSは何度も新陳代謝を繰り返しながら、そのたびに新しい服を身にまとい、目の前の人たちに新鮮な姿を見せ続けてきた。つねに試行錯誤を繰り返し、体制を整え続けながら、気がついたら10年。今も伸びしろを持ち続けているのは、とても素敵なこと。だからREADY TO KISSの未来に期待をしたくて、彼女たちのまわりに途切れることなく人が集まり続けてゆく。
お馴染みのSEが流れだす。次々と舞台に姿を現したメンバーたち。10周年記念公演の幕開けを飾ったのが、活動初期からライブに一体化した空気を作り続けてきた『READY TO KISS』だ。愛らしい表情で、愛しい君へ想いを伝えるように「君に君にキスしてもいいですか」と歌うメンバーたち。6人に向けて熱い想いをぶつけ返す観客たち。昔から見てきた慣れ親しんだ光景だ。それを、10年経った今も新鮮な気持ちで感じていられる。それって奇跡的なことじゃない?!背景には、当時のMVを投影していたのも超エモすぎる。
「一秒先も君の側で愛を送れますように」。立て続けに歌ったのが、同じくREADY TO KISSのライブへ活動初期から熱狂を描き続けてきた『秒シミュレーション』。この日のライブは、10年の活動の中、READY TO KISSを語るうえで欠かせない曲たちばかりを並べていた。同じメンバーが10年歌い続けるのではなく、名曲を、その時期毎のメンバーらが新鮮な彩りを与えて歌うからこそ、何時の時代に聴いてもどの曲も胸を熱くさせる。
眩しい銀河の映像を背景に届けたのが、『STAR LIGHT~星色のこの気持ち、空に映れ~』。それぞれREADY TO KISSと出会った時期やメンバーは違うだろう。でも、僕らが熱狂し続けてきた楽曲が、ベストヒットアルバムのページをめくるように次々と流れてくるんだもの、興奮せずにいれるわけがない。フロア中から途切れることなく響き渡る絶叫した声が、それを示していた。10年の時の流れを一つの大きなレコーダーの中へギュッと凝縮。今の6人のメンバーの歌声を通して、名曲たちが次々と新しい息吹を持って再生されてゆく。
さらにここで『トップシークレット~切ない極秘事項~』を歌唱。興奮した気持ちが、限界の境界線を超える勢いでアガり続ける。僕らはけっしてノスタルジーに浸ってはいなかった。今もずっと輝き続ける楽曲へ、新たな眩しい輝きを与える6人の歌声の魔法に、ただただ魅せられていた。でも、それが嬉しかった。
激しいギターの音が炸裂。躍動するハードロックやパンクロックの息吹も、ときに楽曲の中へ詰め込んでゆく彼女たち。『突撃シャングリラ』でも、メンバーらの「突撃!!」の声を合図に、ここに集まった仲間たちと一緒に、次代へ向かって力強く進撃してゆく姿勢を示していた。
力強く躍動する姿もREADY TO KISSらしいが、キュートでガーリーな乙女らしい心模様を覗かせるところも、欠かせない素敵な魅力。6人が甘い衝撃を解き放つように歌う『ブルーベリー・ヨーグルトスムージー』に触れながら、甘酸っぱい物語の中、胸をときめかせていた。いや、今は振り返ることなく、甘い甘い思い出にずっととろけそうな気持ちで浸っていたい。
恋心へ、さらに華やかな色を描き加えるように、彼女たちは『愛A.S.A.P』を歌唱。ラブソングというよりも、今の時代の中で忘れたくないし無くしてはいけない人としての普遍的な想いを、6人ははしゃぐ声に乗せて、特別な(観客たち)一人一人の胸にメッセージしていた。
この曲は、旅立つメンバーへ向けて誕生した楽曲だった。READY TO KISSという華やかな舞台を卒業したメンバーは数多い。今でも、この曲に触れるたびに、見送った一人一人の思い出のメンバーたちの姿が甦る。『その先の未来へ』を胸に新たな道へ歩きだした人たちは、今、どんな人生を歩んでいるだろうか。READY TO KISSという場に残って旅立ちのエールを送ったメンバーたちは、今も舞台の上で夢の続きを描きながら輝き続けている。この曲でも、背景に当時のMVを映しだしていた。その姿に触れ、胸がキュッと疼いていた。でも、それが今の素直な気持ちだった。
心が疲れて折れそうな気持ちへ元気のパワーを注ぐように、彼女たちは『自由な女神』を熱唱。この曲を歌い踊りながら、6人の女神たちは背中に映えた透明な2つの翼を羽ばたかせ、この場にいる人たちを高い高い空の上まで引き連れ、勇気や元気、自由が満ちあふれた場を飛び交い続けていた。
READY TO KISSと言えば、タイを中心にいろんな国でライブ活動を続けている。彼女たちに会いたい人たちも、彼女たちが会いたい人たちも、海を超えたいろんな国々にいる。会いたくても会えない時期、彼女たちは『Long Distance~長距離エアプレイン~』を歌いながら、その想いを、世界中で彼女たちの歌声のキスを待っている人たちに届けていた。ふたたび自由に歌声のキスを交わせる時代へ戻ったにも関わらず、この歌を聴くたびに、やっぱし会いたい気持ちが募りだす。それだけ、この歌に会いたい気持ちが詰まってるということだ。
ここで、メンバーたちが10周年への想いを語りだした。ここでは代表して、上原歩子と牧野広実の言葉を届けたい。
「加入したときはまだ15歳でしたけど。今年で25歳になりました。こんなに長くREADY TO KISSのメンバーとして活動させていただけるとは思っていなかったです。READY TO KISSには本当に今までいろんなことがありました。たくさんメンバーの卒業を見送ったりと、いろんな体制があったんですけど。今のメンバーと出会うことが出来て、この6人で活動させていただいています。こうして長い歴史の中で、10周年という節目のワンマンライブにメンバーとしてステージに立てたことを本当に誇りに思います。みなさんと10周年をお祝いできて本当に幸せです」(上原歩子)。
「たくさんのアイドルグループがある中で、READY TO KISSが10年続いてきたこととか、ズーッとREADY TO KISSで活動させてもらえてきたことは、本当にファンのおかげです。みんなが応援してくれなかったらグループは続かなかったし、自分自身も途中で「無理だー」となっていたかも知れないですけど。悩んだときとか、みんなの顔がパッと思い浮かんできて、わたしはみんなの笑顔や、ステージの上から見える、楽しんでくれている姿を見るのが本当に人生の生き甲斐だと思っています。本当にこのグループに加入できて。ずっと続けてきて良かったなと心の底から思っています。わたしがアイドルでいる以上、自分の思うアイドル像を貫いて、みんなを笑顔して、幸せにすることをこれからも約束します」(牧野広実)
後半を彩ったのが、READY TO KISSの第二のホームグラウンドになるタイへの想いを綴った『タイに行きタイ』。いわゆる駄洒落シリーズナンバーの一つであり、タイ愛の詰まった楽曲だ。この曲でも、背景には当時、タイで撮影をしたMVを投影。タイのファンたちとの絆も、この頃からずっと繋ぎ続けてきたもの。当時のメンバーたちの姿に視線が走ってしまうのもご愛嬌。あのときのMVには、牧野広実や佐々木美帆のように今も活動しているメンバーたちが映し出されている。今も、あの当時と変わらない輝きとかわいさを‥。そこは、各自の想いに委ねよう。
READY TO KISSがメニューに多く並べているスイーツ系ナンバーに触れるたび、胸がキュンと鳴る。READY TO KISSを語る上で、このシリーズも欠かせない。『エメラルド・クリームソーダ』に触れながら、一緒に乙女の心模様にハートを染め上げ、恋にときめく気持ちを甘酸っぱさたっぷりに味わいたい。愛らしさたっぷりに歌うメンバーらの姿が嬉しく気持ちを掻き立てる。、だから、照れた想いを隠したくて声を張り上げていた。
駄洒落シリーズの始まりを告げた『成増になります』では、舞台の上ではしゃぐメンバーらと一緒にフロアでも無邪気な笑顔ではしゃぐ人たちが続出。背景に映し出されたMVも気になるが、今は、気持ちが動くままに騒ぎますな気分だ。
最後に歌ったのが、READY TO KISSの始まりを告げた『Chuchu』。昔も今も、ずっとREADY TO KISSのライブに甘い衝撃と一体化した熱狂を描き続けている楽曲だ。きっと僕らは,その時期ごとのメンバーたちと一緒に、ずっとこう叫び続けるだろう「Chuchu好きだよ」「俺もー!!」と。それこそが、メンバーたちと僕らを繋ぐ最強の愛(合い)言葉。だから、何度だって心の底から声を張り上げて歌い叫び続けるよ、「Chuchu好きだよ」「俺もー!!」と。
アンコールの最初を彩ったのが、心地よく躍動した『君恋』なのも嬉しい。「恋してる 君にしてる」の歌声を耳にするたび、同じ気持ちを彼女たちにぶつけたくなる。この曲に触れている間中、ずっと6人から集団告白を受けていた気分。その想いを全部全部抱きしめ、溺れてしまいたい。
READY TO KISSは、何時だって無敵だった‥とは言わない。むしろ、何度もこてんぱんに打ちのめされてきた。でも、活動を止めるとなく10年を迎え、11年目へ踏み出しているのも、いつだってこの気持ちを無くさなかったからだ。彼女たちは最後の最後に『ムテキモード』を歌い踊りながら、絶叫を上げ続ける仲間たちと、 ドキドキした気持ちを胸に最強無敵な熱狂の景色を作りあげていった。そう、何時だってREADY TO KISSは「ムテキモード」を胸に掲げ、いろんな壁をぶち請わそうと突撃し続けている。彼女たちがこの先、どんな道を示すのかはわからない。でも、無敵なモードに気持ちを染め上げ、輝き続け、トキメキが止まらない限り、READY TO KISSはこれからも歩みを止めることなく成長を続けてゆく。11年目のREADY TO KISSも、よろしくな。
PHOTO:本間裕介
TEXT:長澤智典
READY TO KISS柚木美桜卒業公演
【日程】2023年11月2日(木)
【時間】開場 18:30/開演 19:00
【会場】池袋リヴォイス
【料金】前売2,500円/当日3,000円(各D代別)
【出演者】READY TO KISS
《チケット予約》
LivePocket
https://t.livepocket.jp/e/373io
【注意事項】
※アルコール提供なしとなります。
※飲酒状態のお客様は入場できません。
【お知らせ】
READY TO KISSは現体制終了致します。
上原歩子は10月14日(土)池袋harevutaiでのワンマンライブをもって卒業致しました。本人の希望により卒業後の告知となります。
柚木美桜は11月2日(水)池袋リヴォイスでの卒業公演で卒業致します。
佐々木美帆は1月を目安に卒業を調整中です。追って発表致します。
以下、佐々木と柚木よりコメントです。
---------------
私、佐々木美帆は2024年1月にREADY TO KISSを卒業します。
まず応援してくださるみなさん、いつも本当にありがとうございます。
そしてこの発表でみなさんを驚かせてしまいごめんなさい。
私は2017年7月5日にREADY TO KISSに加入しました。それから今年6月にアイドル約11周年を迎えて7月にはレディキス6周年を迎えました。32歳にもなったのでその頃から「卒業」について考えるようになりました。
レディキスに加入してこの6年間、本当にたくさんの経験をさせていただきました。
たくさんの対バンライブ、ワンマンライブ、生誕祭、CDリリース、海外遠征、全てが私の宝物です。
レディキスとして活動する日々は嬉しいことも楽しいこともたくさんあったし悲しいことも悔しいこともあったけど、ここまで活動できたのは、まぎれもなくファンのみなさんのおかけです。いつも味方でいてくれて応援してくれてありがとう。
私はREADY TO KISSで活動する毎日がとても幸せでした。もちろん今もです。
1度アイドルを卒業して、まだ悔いがあるんです。と相談した時に救ってくれたのはプロデューサーのなおきさんでした。本当に感謝してもしきれません。
今の私はアイドルとして、READY TO KISSとして何も悔いはないし私なりにやり切ったと思ってこの決断をしました。
大好きなREADY TO KISSはまだまだ続いていくし、私もその先のレディキスのために全てを賭けて頑張りますので、1日1日大切に過ごしていきます。
まだ2023年ですし2024年の1月の卒業まであと3ヶ月あるので、それまで精一杯READY TO KISSとして頑張ります!最後まで応援よろしくお願いします。
READY TO KISS 佐々木美帆
----------------
突然の発表となってしまい申し訳ありません。
I-GETに入って4年半頑張ってこれたのはみなさんの応援のおかげです。
本当にありがとうございます。
ZeppTokyoや海外遠征など貴重な体験をさせていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
自分自身9人のメンバーの卒業を見送りその度に今後の人生について考えてきました。
今回現体制終了のお話を聞きここでアイドル人生を終えようと決意しました。
辛いことや苦しいこともありましたが楽しく幸せなことの方がいっぱいでした。
私はレディキスが大好きです。
みんなのことが大好きです。
ずっと忘れません。
本当にありがとう。
READY TO KISS 柚木美桜
SNS
https://www.ready-to-kiss.jp/
https://twitter.com/READYTOKISSoffi